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親父倶楽部 第25回例会 記録
テーマ・・・「障害児の父親として」
報告者 東 秀一
◆日 時 ・・・・2001年10月10日(水) 19:00〜21:00
◆テーマ・・・「障害児の父親として」
◆担 当・・・射場一之
◆参加者:射場一之、西博康、河部誠、後藤芳男、平尾禎孝、前田秀美、深田朝則、中野孝文、紙田章義、東秀一
(以上10名 順不同 敬称略)
◆会 場 ・・・・大阪市立東淀川勤労者センター
■ 「障害児の父親として」(射場一之)
| ■テーマの設定理由 ・次女が『自閉症』と言われ受け入れるのにとても大きなエネルギーが必要でした。 その体験をお話します。 |
自閉症の問題についてお話をする射場さん |
1.障害の種類と人数(障害者白書(平成10年版)
身体障害者 317.7万人
精神障害者 217 万人
知的障害者 41.3万人
2.知的障害とは
3つの判断基準
1)18歳未満の発達期にあらわれる
2)知的指数が、おおむね70未満である
3)年齢にくらべ、社会生活能力が低い
3.自閉症とは
自閉症をひと言で言うと、「他人とのつながりを持つことが困難な障害」、つまり「関係の病」です。
自閉症は、語感からよく誤解されますが、自ら心を閉ざしているのではありません。
無口な人や、人との交流をあまり持たないで自分の世界に没頭する人などのように性格の一面を表すものではありません。
また、自閉症は、育て方によっておこる心因性の障害でもありません。
自閉症とは、先天的な脳の機能障害によっておこる発達障害で、「脳内の情報処理」の仕方に問題のある、生まれつきの障害です。
しかし、原因が完全に解明されたわけではなく、完全に治ることはないと言われています。
4.自閉症の特徴
1)社会性の発達に遅れが見られる
他人と目を合わせない。ほかの子とうまく遊べない。集団行動がとりにくい。
2)言語を用いた意思表示が困難
話がうまくできない。言われたことを理解しにくい。
3)「同一性保持」に対する執拗な要求
いつも同じところに同じ物がなくてはいけない。おなじやりかた、順序にこだわる。
5.知的障害児が学ぶ環境
1)養護学校
小学部、中学部、高等部・・・全国に約510校 5万3千人
2)特殊学級(障害児学級、心障学級、養護学級)・・・普通学校内にある
知的障害、肢体不自由、身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、情緒障害
の7種類で23400学級(内知的障害児学級は15270学級)
6.今までの経過
1)診断履歴
・1歳半検診で「発達の遅れ」を指摘される
・障害福祉施設などで療育
・府立子ども家庭センターで自閉症の可能性を指摘される(判断が出来るのは3歳前後)
・病院で自閉症の診断を受ける
・府立子ども家庭センターで判定
・市より「療養手帳」の交付を受ける(H12年)
・関西医大で脳波測定(典型的な自閉症児の脳波が出る)
2)現在の取り組み
・毎日・・・薬を服用
・2週間に1度・・・行動療法、行動療法(集団セッション)、市の「ことばの教室」
・4週間に1度・・・薬を注射
○スケジュールの構造化
(次に起こることを不安に思うので、やることを決めて納得させる)
○やっていいことと悪いことの区別
(いいこと。悪いことをはっきり教える。自分での判断がつかない)
7.知的障害のあるこども(人)と話す際のポイント
1)ゆっくりと話す
ゆっくり話しても伝わらない時は繰り返し話す。
2)目を見て話す
ことばに注意が向かない子がいる。また、目はあわせないけれども、
話はちゃんと聞いているという子(人)もいる。
3)身ぶりも入れる
言葉だけでなく、身振りで示すと、言いたいことが伝わることがある。
4)短い文にしていいなおす
一度にたくさんのことを言われるとわからないことがある。要点を抑えて話す。
5)文字にする
聞くよりも読む方がわかりやすい子(人)もいる。
8.これからの取り組み
一見特異に見える自閉症児の症状は、何も特別なことではありません。
私たち誰もが持ち備えているものが、時として強調されたり、逆に希薄になって現れているだけだと思います。
人は社会の中に生れ落ちます。人は人を通して成長します。
だからこそ、私は成長の途中で生じた遅れや歪は、人間関係を通して修正することが可能だと信じています。
9.参考文献
「私の傷害、私の個性」ウェンディー・ローソン著(ニキ・チンコ訳)花風社
広汎性発達傷害 自閉症障害 http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~asj/shindan.html
自閉症のさまざまな問題に向かって 克服する様子を語る射場さん |
視覚的な表現、特にイラスト化は効果が大きい 平成13年10月10日大阪市立東淀川勤労者センターにて |
■自閉症について(西委員長)
・インターネットで『自閉症』についてのページがあったので内容紹介。
既に親父倶楽部のホームページにも要約を掲載しています。
○あたらしい自閉症の手引き
http://www.nucl.nagoya-u.ac.jp/~taco/aut-soc/rainman/
・自閉症Q&A
・ダダ父通信「自閉症マメ知識」 ほか
最下段に内容を紹介しています
| ■参加者の意見 ◎Aさん ・今仕事の関係でASK京都支部と同じビルにいる。 時々親子を見かけるが深くは解らなかった。 ・奥さんのストレスも大きいと思う。 (射場:長女のストレスも大きく。気をつけて親父が関わって行きたい。) ・射場さんの最後の一言がすばらしい。 ◎Bさん ・「自閉症」の意味を理解していなかった。勉強になった。 ・障害を個性と言う障害者の人もいるが、それはあらゆることを乗り越えた 人が言えること。 ・五体不満足にあったが、親がその子を普通の子として扱うことが大切と思う。 ◎Cさん ・奥さんのケアが大切。射場さんのストレスが外でも家でも溜まるので、 10年位して出ないようにしないといけない。 ・精神障害で20歳過ぎて大きくなってくると大変になると思う。 ◎Dさん ・奥さんとの見解が違うとのことだったが、これを埋めることが必要。 今が大切と言う奥さんの考え方もある。折衷案が必要で、 こちらが折れることも大切。 ・明日はどうなるかわが身も解らない。 こうしたい。こうなりたいと考えることが必要。何かにトライしたい。 ◎Eさん ・妻が35歳前で1人目、40歳前で2人目が生まれた。 ・障害児がいることで家族がひとつになった。次女の自立が早かった。 ◎Fさん ・15〜16年前小学校の前でマンションの建設工事をした。 その時に社員が何かすることがないかと朝、学校の前の掃除を始めた。 その後、職人も加わり、いつしか小学生に挨拶をするようになった。 学校で話もしない子がしゃべったということで感謝をされた。 ・周りが気を使いすぎるのもどうかと思う。治らないことはないのでは。 ◎Gさん ・後で良く調べてみると病気だったということがたくさんある。 周りもそれを理解する必要がある。障害があっても特別な目で見ない。 ◎Hさん ・親戚にろう学校の先生がいたし、妻の祖母も私と知り合った時には 目が見えなくなっており、周りの人の世話は大変であった。 ・友人に養護学校の先生がいるがかなり重労働で根気がいると言っていた。 ・半年位前に部下に子供が出来たが、3日目にミルクが飲めないということで 検査をしたら、腸がねじれていてミルクが入っていかないということだった。 急きょ手術をし、今は問題なさそうだが今後のことは解らない。 ◎Iさん ・自閉症は大変なこと。周りの家族も大変なことがよくわかった。 ・長女が今年から老人関連の施設に勤務しているが、 患者さんが何人いるのかと聞いたところ、患者と違うとえらく怒られた。 ・近所の小学校でも車イスの子が皆といっしょに運動会をしていた。 |
|
■欠席者のメールによる意見
◎Jさん
・私は今、チョコットだけですが、そのような知的発達障害者(自閉症や
ダウン症)の方の自立支援のためのスポーツプログラムである
「スペシャルオリンピックス日本(SON)」に関わっています。
・水泳や陸上競技など日本では約18種類のスポーツを通じて、
障害者(SOではアスリートと呼びます)とその家族(ファミリー)及び
ボランティアが三位一体で活動しています。
・元々は、アメリカでスタートしました。かのJFKのお姉さんが自閉症でした。
彼女はケネディ家が家族で外出するときも、いつも置いてきぼり
だったそうです。そんな姉を外へ出して、みんなと遊ばせてあげたいと
いうことで、妹が自宅の庭ではじめたのがきっかけとなり、現在世界130
カ国以上で採用されているプログラムです。
パラリンピックなどと違い、一番を目指すのではなく、その障害の程度に
応じて、できることをやるのが基本です。
ですから「オリンピック=一つの金メダル」ではなく、「オリンピックス=
みんなにメダルを掛けてあげる」なのです。
・こういう活動は行政もやっていますが、家族も含めて、みんなが連携し、
手作りでやっているので、お互いに喜びも大きいし、楽しいのだと思います。
以上
■第25回親父倶楽部を終えて
運営委員長 西 博康
今回の親父倶楽部は、射場さんに御担当をして頂き、障害を持つ子供の親父の有り様をお話いただきました。射場さんのお話を伺いながら、改めて「自閉症」とは何かを勉強させて頂き、「障害」を持つ御家庭の思いを認識させて頂きました。
我が子が「自閉症」と知らされ、そのことを受け入れる事にとても大きなエネルギーを要したと語る射場さん、「認めたくない」→「認めざるを得ない」→「認めて現状を克服しよう」→「将来に希望を持とう」と気持ちや行動を切り替えるのに毎日エネルギッシュに取り組まれているご様子です。家族全員がそのような想いで、生活する中、姉妹や、奥様、或いは自分ご自身に掛かるストレスは、相当な物があると思いますが、ひとり一人の立場にたって思い遣りを持って接している射場さん。今どうやって家族と接するかということと、将来に渡りどのように礎を築いていくかとの思いを整理しながら毎日取り組んでられるご様子、胸が熱くなる想いです。
「一見特異に見える自閉症児の症状は、何も特別なことではありません。
私たち誰もが持ち備えているものが、時として強調されたり、逆に希薄になって現れているだけだと思います。
人は社会の中に生れ落ちます。人は人を通して成長します。
だからこそ、私は成長の途中で生じた遅れや歪は、人間関係を通して修正することが可能だと信じています。」射場さんの言葉を皆さん、真摯に受け止めておりました。
人生、何時何処でどんな事に巻き込まれるか判りません。障害や事故・災害を含め、我が身や家族に明日何が起こるか判らない事を、再認識しつつ、参加者の身近な事例のお話を加えながら、意見交換を行いました。そのような中で、やはり父親が一家の中心としてしっかり家族を勇気付け、希望を与え、力強くリードしていく事の重要性を感じざるを得ませんでした。
参加者の方の感想メールを付け加えて、本報告書の結びとしたいと思います。射場さん有り難うございました。ご参加の皆さん、有り難うございました。尚、当日、後藤親父よりビデオテープの配布があり、今後また、話題にさせていただきたいと思います。
■参加者の感想メール
◎紙田さん
紙田です。昨日は、本当に濃い・いい勉強をさせて頂きました。後の食事会も良かっ
たです。返った頃には、だいぶ酔いも覚めて?東さんから頂いたビデオを見始めて1
時間ほどで、寝てしまいました。朝、再度、最後まで見ました。元気な子供が、髄膜
炎で急激に無くなるというのは、これまた、非常な人生だとすさまじいものがありま
した。かたせ梨乃の演技(演出?)が明るすぎて変に救われました。朝のテレビでノー
ベル化学賞の受賞の明るいニュースが流れていました。今日も頑張ろう・・・
◎中野さん
帰宅後、家内と一杯やりながら、射場さんの提供して頂いた話題を元に
話をしました。幸せな家庭生活であるために、頭(親父)の役割は大きいと
再認識した時間でした。
射場さん、発表ありがとうございました。
これからも宜しくお願い致します。
■次回親父倶楽部のお知らせ!
さて、来月は、輪になった人、中野さんからの挑戦状です!
「子供のこんな質問、あなたならどう答えますか!?」
このテーマ、早速皆さん、早速 臨戦体制!!??
嘗て、自分の子供から言い寄られた話を含め、今の時代の、親子の有り様に迫ります!
乞う御期待を!
●日 時:2001年11月13日(火) 19:00〜21:00
●場 所:「大阪市立東淀川勤労者センター」
рO6−6321−0001
●テーマ:「子供のこんな質問、あなたならどう答えますか!?」
●担当者 中野 孝文さん
●会 費 1,000円
■会費についての提案(会計より)
・昨年の11月より会員を明確にして、半年会費5000円、ゲスト参加者
1000円/回、当日飲食する場合は1500円/回でやって来ましたが、
会場を変更したこともあり、飲食を会合中にしないことから
以下のように変更したいと考えます。
○会計年度 1月1日より12月末日迄
○年会費 3,000円(会員が10名強いると考えています)
○当日会費 会員500円 ゲスト参加者1000円
(会員は参加回数のバラツキ是正と当日のお茶代として、
ゲストは会場費とお茶代と考えています。
資料のコピー代の負担も考えます。野外イベントは別途清算。)
・会員の皆様のご意見をお待ちしています。
ー以上ー
このページは「新しい自閉症の手引き」 より 抜粋して一部を紹介しています。
是非とも下記へジャンプして詳しくご覧下さい
http://www.nucl.nagoya-u.ac.jp/~taco/aut-soc/rainman/
紹介内容
![]() |
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1.自閉症Q&A version 1.1 October 30, 1999
Q1.自閉症ってどういう障害なの?
自閉症は生まれつきの障害で、完全に治ることはありません。
自閉症の人は、見たり聞いたりすることや感じることを普通の人と同じように理解することができません。このため、人と関わることや、自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちをくみとることがとても苦手です。行動も自分勝手に見えることがあります。
普通の喋り方やコミュニケーションのもち方、人や物事への適切な関わり方を習得することは、容易ではありません。
Q2.自閉症にはどういう特徴があるの?
自閉症の現れ方は人によって異なりますが、次のような特徴が見られます。
◆ことばの発達が遅れる
ことばは発達するとしても遅れます。ことばが発達する場合、話し方にはたいてい独特のパターンがあり、普通とは違うことばの使い方をします。ことばを上手に操ることのできる人でも、変な比喩を使ったり、気持ちのこもらない話し方をしたりします。
◆人との関わり方が分からない
自閉症の子どもは、視線をそらしたり、抱っこされることを嫌がったり、周りの世界に無関心のように見えたりすることがよくあります。このため、自閉症の子どもは他の子どもと協調して遊ぶということがなく、友情を育んだり人の気持ちを理解することが苦手です。
◆感じ方に一貫性がない
自閉症の子どもは、まるで耳が聞こえず、ことばや音に反応しないように見えることがよくあります。一方でその同じ子どもが、ある時には掃除機の音や犬の吠える声などをとても嫌がることがあります。また、痛みに鈍感であったり、寒さや暑さを感じなかったり、逆にこれらに過敏に反応したりします。
◆知的機能がかたよって発達する
自閉症の人は、描画・音楽・計算・記憶力(ただしそれが持つ意味には無頓着な憶え方で)などで全体の能力と比べると不均衡に突出した能力を持っていることがあります。一方で、大多数の自閉症の人たちは、様々なレベルで精神遅滞を伴っており、平均かそれ以上の知的能力を持つ人はわずかに2割にすぎません。知的能力が様々なレベルにあることが、自閉症という障害をとりわけ分かりにくくしています。
◆活動と興味が限られる
自閉症の人は、手をひらひらさせたり、体をくねらせたり、くるくる回ったり、前後に体を揺すったりなどの動作を繰り返すことがあります。また、同じ道順、同じ着替えの順序、同じ日課などのこだわりを持つこともあります。これらの決まり事に少しでも変更が加えられると、自閉症の人は、たいへんな苦痛を感じます。
Q3.自閉症の原因は何?
自閉症は生まれつきの脳障害です。脳内の情報処理の仕方に障害があります。しかしその原因はまだわかっていません。ことばと感覚情報とを処理する脳の部位に問題があることをうかがわせる研究結果もあります。脳内のある種の生化学物質に何らかの不均衡があるのかもしれません。遺伝的な要因も関与している場合があるかもしれません。自閉症は、実際にはいくつかの<要因>の組み合わせによって生じるのでしょう。
自閉症は心理的な原因で生じる情緒障害ではありません。
Q4.自閉症の発生率は?
自閉症は,発達障害のひとつです。生まれてくる子どもの1,000人に1人か2人の割合で発生します。統計上は、東京ドームに5万人集まると、50人〜100人の自閉症の人がいることになります。
Q5.どういう人が自閉症になるの?
人種・国籍・生活様式の別に関係なく、世界中で自閉症の子どもが生まれています。5人のうち4人の割合で男性です。
Q6.自閉症の人にとって何が一番難しいの?
自閉症の人にとってとりわけ難しいことは、ことばを正しく理解し使うことと人と関わることです。
Q7.自閉症は行動にどう影響するの?
ことばや人との関わり方の問題に加えて,自閉症の人は,極度に多動であったり,親や家族,他の人々に対して自分から働きかけることが極端に少なかったりします。
Q8.行動上の問題はどれくらい重いの?
自閉症がもたらす行動上の問題は,とても重いものから軽いものまで様々です。行動上の問題が重い場合は,ひどく攻撃的になることがあり,場合によっては自傷行動に及ぶことさえあります。これらの行動はいつまでも続き改善するのが難しい場合もあります。
軽度の自閉症は学習障害に似たものになります。しかし、軽度の自閉症の人でも、コミュニケーションと対人関係の障害により、周囲に誤解されつらい思いをすることがしばしばあります。
Q9.他の障害を合併することがあるの?
自閉症は単独で生じることもありますし,精神遅滞(知的障害)・学習障害など別の発達障害やてんかんを合併することもあります。
自閉症は,軽度から重度まで連続した障害であるとするのが最も妥当な考えです。自閉症の重さがどの程度であるのかは、周囲の理解度や活用できる資源の量、ならびにどの程度の精神遅滞があるかで決まります。
Q10.自閉症と精神遅滞の違いは?
精神遅滞の人は、どのスキルも比較的同じ程度に発達しますが、自閉症の人は、スキルによって発達がばらつきます。すなわち、ある領域(典型的にはコミュニケーションや対人関係の能力)では、発達に障害が見られるのに、別の領域では比較的良く発達するのです。
精神遅滞などの障害と自閉症とを区別して診断することは重要です。なぜなら、これらを混同すると、不適切で効果のない対応をしてしまうことがあるからです。
Q11.自閉症の人を援助することはできるの?
はい、自閉症には有効な対応ができます。適切な指導によって、どんな自閉症の人でも目覚しく伸びることが研究の結果明らかになっています。自閉症の人たちの多くは、自分たちの周りの世界を理解する力を身につけるにつれて、人への対応の仕方がよくなります。
Q12.自閉症の人にとって最もよい教育は?
特別な訓練を受けた教師が、個別指導を重視し、かつ特別に構造化されたプログラムを用いて教育することにより、自閉症の人は家庭や地域社会で暮らすためのスキルを習得することができます。自閉症の人の中には、ほとんど普通の生活ができるようになる人もいます。
Q13.自閉症の人にはどういう仕事が適しているの?
一般に、自閉症の人は、構造化され、ある程度反復性のある仕事で最も成果をあげます。適切な配慮があれば、私たちと同じように職を持ち、社会に貢献しています。職種としては、レストランやファーストフードの厨房、スーパーマーケットの品出し、クリーニング、ビルメインテナンス・清掃、緑化、社内メール、データ入力、組立・梱包、など、まさに多種多様です。また、特殊な能力を生かし、芸術家やピアノの調律師、そして研究者として活躍している人もいます。現在日本では、学校を卒業後3割程度の人が一般の事業所で働いており、その他の多くの人は福祉的な就労の場で仕事をしています。
Q14.自閉症の人はどういう余暇の過ごし方をするの?
自閉症の人は、障害を持たない人と同じようなレクレーションを楽しみます。音楽・水泳・ハイキング・キャンプ・パズル・テーブルゲーム・旅行・スキー・お気に入りの収集・ビデオゲーム・カラオケ・写真や絵画など、様々な趣味や活動を楽しんでいます。
Q15.自閉症の人はどんな学校に通っているの?
小学校の普通学級・特殊学級か養護学校に入学します。就学時に教育委員会の就学相談を受ける場合もあります。中学進学も同様です。高校に進学する場合は、一般の高等学校・高等養護学校・養護学校高等部のいずれかを選択することになります。高校卒業後、障害者職業能力開発校・専門学校に進む人や大学に進学する人もいます。
Q16.自閉症の子供から大人にかけてどんなサービスが必要になるの?
療育相談
レスパイトケア
登校前と放課後のケア
サマープログラム
レクレーションプログラム
職業訓練
雇用の機会
グループホーム
援助つきアパート
日常的な地域生活支援
財産保全・金銭管理サービス
人権擁護相談
Q17.自閉症の人を支えるためにどんなグループが活動しているの?
各都道府県単位で自閉症児者親の会(日本自閉症協会支部)が結成され、自閉症児者とその家族を支えるための地域活動を行っています(別表1)。また、インターネット上には、療育・教育・就労支援に関する情報を発信するホームページがあります。
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このQ&Aは、米国ノースカロライナ大学のTEACCH部がインターネット上で公開している「AUTISM PRIMER:TWENTY QUESTIONS AND ANSWERS」を基に、日本自閉症協会京都府支部とQ&A日本版作成ネットワークが同部の許可を得て、日本に合わせて作成したものです。
日本語訳は主に佐藤裕・門 眞一郎・志賀 利一が行いました。この翻訳の原文は最新版ではないかもしれません。ノースカロライナ大学TEACCH部はこの翻訳が正確かどうかは調べていません。
Q13〜17は、日本に合わせて新たに作成した日本版独自のものです。
著作権は米国ノースカロライナ大学TEACCH部・日本自閉症協会京都府支部・Q&A日本版作成ネットワークにあります。 印刷はフリーですが、必ずこの注意書きを含めて印刷して下さい。営利目的での利用は固くお断りいたします。
印刷用の pdf ファイルが2種類あります。
問い合わせ先(ASK事務局)
電子メール: askQA@nucl.nagoya-u.ac.jp
ファックス: 075-491-1611
自閉症Q&Aホームペ−ジのURI(この文書の置場所)
http://www.nucl.nagoya-u.ac.jp/~taco/aut-soc/rainman/autismQA-j.html
リンクフリーです。
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Q&A 日本版作成ネットワークによる「あたらしい自閉症の手引き」
http://www.nucl.nagoya-u.ac.jp/~taco/aut-soc/rainman/
This document was translated from English
mainly by Yutaka Sato, Shinichiro Kado, Toshikazu
Shiga and the colleagues.The version translated may not be the most
current version of the document.Division TEACCH has not reviewed the accuracy
of the translation.
| 2.ダダ通信より「父親からのお願い」 http://www.nucl.nagoya-u.ac.jp/~taco/dada/index.html 本編は、大変興味深い内容です。是非ご覧下さい。 |
| ダダ父通信 | 父親からのお願い |
| ダダは自閉症という困難な障害を背負っています。自閉症は脳の生得的な障害ですから治りません。コミュニケーションの困難さは生涯続いていきますが、しかし、適切な取り組みによってその困難さは改善されていきます。 私たちはそれをできるだけ援助していきたいと思っています。先生方にもご理解たまわりたいと思います。 |
- ●自閉症について知っていただきたい
- その子どものハンディがどのようなものなのかをよく知らなければ、的確な教育、適切な援助の仕方はわかならい。これは自閉症児と6年間付き合ってきた親の確信です。
- たとえば、身体上のハンディがある場合には、見た目でわかるので私たちもそのハンディのあり方を想像しやすいでしょう。具体的に追体験してみることもできます。それに対して脳機能のハンディの場合は、想像しにくいし、追体験も困難です。「自閉症」の場合は、とくにわかりにくい面が多いと思います。
- しかし、最近になって高機能の自閉症者の自伝がいくつか出版され、彼らがこの世界をどのように感じ、どのように考えているのかを知ることができるようになりました。そして、療育や援助に関する有効な実践例が世界各地で報告されるようになりました。これらはみな「自閉症」の特性をよく知ることによって達成されたことです。1990年代以降の文献には、幼児期の早期療育、学校教育、就労支援などでめざましい報告がたくさんあります。
- 私たちは親としてそれを学んでいきたいと思っています。そして先生方にも「自閉症」という障害についてよく知っていただきたいと思います。
- ●閉じてる心を開く?
- 「自閉症」は、「情緒」に「障害」があるわけではありません。自閉症は自ら心を閉じる病気ではありませんし、育て方や家庭環境によって生じる心の病でもありません。だから、療育・教育において「閉じている心」を「開こう」とすることは勘違い以外の何ものでもありません。
- しかし、自閉症児は外の世界からの情報の入力と処理に生得的な問題をかかえているわけですから、私たちが通常の方法でコミュニケーションを取ることが難しいのは確かです。また、彼ら自身も他者とのコミュニケーションが取りにくい(相手の言っていることがよくわからない、言いたいことをうまく伝えられない)ことから、しばしば不適切な行動をしてしまいます。そしてその原因の多くは、本人にあるのではなく、自閉症児・者に関わる私たちの側にあるのです。
- たとえば、幼児期に言葉がでないことが心配だと相談すると、「もっと言葉かけをしなさい」と言われることがよくあるのですが、これはとんでもない間違いです。言葉が伝わりにくい自閉症児に過剰な言葉かけをし続けるとますます混乱してしまいます。
- 私たちが言葉も文字もまったくわからない異国に一人で行った場合を考えてみてください。そこで突然大男にまくしたれられたらどんな気持ちがするでしょう。子どもにとって私たち大人はみんな大男、大女だったりするのです。
- だから、親や療育者(教育者)にとって重要なのは次の2点です。
- 1. できるだけわかりやすい伝え方を工夫する。
- 自閉症児のほとんどは視覚優位です。言葉はなるべくおさえて短く明瞭に発し、視覚的にわかりやすく伝える工夫が必要です。カードやスケジュール・ボードが有効なのは、それが視覚優位という自閉症児の性質に基づく工夫だからです。
- 絵カードなどを使うと言葉の訓練にならない、せっかく出ていた言葉が少なくなる、という方がいますが、これまでの報告ではそういったことはまったくありません。視覚的な手がかりは自閉症児が安心してコミュニケーションを取るための重要な支えになります。カードの使用によって逆に機能的な言葉がふえたという報告はたくさんあります。
- 2. コミュニケーションの力を発達させるために努力する。
- 私たちが教科学習を大切にしたいと思っているのは、いわゆるお勉強ができるようになることを目的にしているからではありません。認知能力を高めることによって、コミュニケーションの力を発達させることができるからです。それはこれまでの経験からはっきりと言うことができます。幼児期にはマッチングなどを通して色や形を理解していくに従ってパニックが減っていきました。混沌としていた世界がしだいにダダの中で整理されていくのがよくわかりました。
- 私たちは比較的熱心に自閉症と取り組んでいるのでよく誤解されますが、家での課題学習に膨大な時間をかけているわけではありません。1日15〜20分くらい、書字と算数のプリントをやるだけです。これは学習の内容そのものよりも、机に向かって課題をやるという学校教育で普遍的な習慣を作るためでした。
- あとは発達段階に応じてさまざまな運動や遊びを工夫してきました。お絵かき、工作、ケーキづくり、登山、水泳、スケートなんでもやらせてみるようにしてきました。これは経験によってダダの世界を広げていくためです。
- 読み書きを初めとする教科学習と、遊びやお手伝いを通したさまざまな経験は、発達のための車の両輪だと考えています。
- ●子ども一人一人にとって今何が必要なのかを考える
- 「個別指導計画」とは、一人の子どもの個別な発達状態を関わる人がみんなで確認し、みんなで療育の方向を考えていくことです。
- 自閉症児は同じ種類のハンディを負っていますから、その行動によく似た傾向があるのですが、自閉傾向は発達段階によってそれぞれ異なった現れ方をします。また、子ども一人一人の本来の個性の部分も当然違います。
- 「個別指導計画」は最近になって文部省が新指導要領の中で提唱していることですが、もともとの発想はアメリカの「個別教育計画(IEP)」に学びながら、それを日本の学校現場に適した形に整えたものです。
- IEPは取り出し授業を多くしようなどということではありません。IEPの意義は次の点にあります。
- 1. その子どもに関する情報を、その子どもに関わる人々が共有する。
- まず、これまでの発達がどうであったかを事項別に確認し、いまどのような発達段階であるかをみんなで確認します。これによって親も、親学級の先生も、特学の先生もともに考えていく土台が作られます。
- 就学前の情報は、主として親が提示することになりますが、場合によって保育所・幼稚園あるいは各種の医療・療育機関から情報を提示してもらうのもよいでしょう。
- 2. 共有した情報をもとに、関わる人々が協力して発達をうながす。
- 最初に共有した情報(たとえば就学までの生育歴)は、その子どもの現在の発達のベースラインを示しています。そのベースラインからどのように発達をうながしていくか、また何が最優先課題かをみんなで話し合って決めます。これはここまでできているから次はここまでやってみようか、それについてはこんな工夫があるから家でもやってみればよいのでは、という感じです。ゴール(短期目標・長期目標)を具体的に設定するわけです。
- これを学期ごとに振り返って、修正していくわけです。
- これによって、家でも学校でも同じ目的をもって同じ方法で関わり、発達をうながすことができます。
- 自閉症児の場合、家ではできるが学校ではできないこと、逆に学校ではできるが家ではできないことがよくあります。IEPはこうした問題の原因を探り、取り組みを調整するのにも役立ちます。
- 3. 記録を残す。
- 記録を残すことには大切な意味があります。
- 発達の経過をいつでも、そしてだれもが振り返ることができるようになるのです。つまり、その子どもの発達の経過に関する情報をひきつぐことができるということです。これは、先生が事情によって代わっても次の先生がその子どものことを短期間で把握するための重要な手がかりとなります。
- 親が、そして何よりも子どもが困惑してしまうのは、先生が代わるたびに別の取り組みをしてしまうことです。自閉症児は、環境の変化にとても弱いところがあります。人が変わっても同じ接し方をしていただければ混乱を少なくすることができます。
- こう書いてくるとたいそうなようですが、チェック項目をわかりやすく示すフォーマットを作っておけば記入は簡単です。先生にとっても親にとっても便利な手がかりになります。
- また、何もかもいっぺんに取り組む必要はありません。目標に優先順位をつけて、上から試みていけばよいのです。「生活面の目標」「学習面の目標」にはそれぞれ上から順に発達に応じた取り組みを示しておきました。
- たとえば、生活の短期目標として「トイレに行ったあとで手を洗う」ということを、学習の短期目標として「ちゃんとした書き順でひらがなを書く」ということをあげ、この2週間、家でも学校でも取り組んでみよう、という感じです。
- 身近で具体的な目標を決めてみんなで努力すると、先生も親もそして子ども本人が達成感を味わうことができます。それが次の目標に向かう糧となります。
- ぜひIEPをいっしょにやってみましょう。よろしくお願いします。
| 父親からのお願い | 1999.4. bxr01340@nifty.ne.jp ダダ父 |
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【Q1】 どんな人のことを自閉症というの?
【A1】次の三つの特徴がなんらかのかたちでそろっていると自閉症です。
これを自閉症の「三大特徴」あるいは「三つ組み」と言います。
「社会性の発達の障害」
他の人と関わろうとしない、または関わり方が変わっている。
通常の愛着表現が育ちにくい。
模倣するのがニガテ。
その時求められていることがわかりにくい。
他の人と共感したり、やりとりしたりしにくい。相手の視点でものごとを考えることができない。
など、普通なら幼児期から自然に育ってくる「人との関係性」が育ちにくいのです。
「言語発達およびコミニュケーション能力の障害」
実用的な話し言葉がない、あるいは少ない(ノンバーバル=言葉を話せない人も多い)。
オウム返しをする。
人称代名詞がひっくり返る。
場にそぐわない言葉ををくり返す(気に入ったセリフをくり返す、同じ質問をくり返すなど)。
人の身振りの意味が伝わりにくい。
人の身体を使って何かさせようとする(クレーン現象)。
といった「言葉」と「コミュニケーション」の障害があります。
「かなり変わった行動パターン:反復的な行動、特定の物事へのこだわり」
おもちゃの本来の使い方をしない(車を一列に並べる、タイヤを回す等)。
常同的な身体運動(手をヒラヒラさせる、ぐるぐる回る、ピョンピョン跳ねる等)。
変化を嫌う(同じ道を通りたい、同じ場所では同じことをする等)。
自分で作ったルールを譲らない。
「こだわり」は人によってそれぞれですが、表面的に見えない場合でも、頭の中で「ルール」となっていることがあります。「思考の柔軟性」がとぼしいわけですが、そのぶんきわめて「律義」であったりします。
大切なのは、これらの3つの症状がなんらかのかたちで組み合わさって表れる障害であり、 これらの《行動》に基づいて定義される障害であるということ。けっしてそれが《原因》で定義されているのではありません。
だから、どの自閉症の人にも多かれ少なかれこの「三大特徴」は見られるのですが、重複している知的障害の程度によって、あるいはその人の発達段階によって表れ方はさまざまです。
自閉症の人は十人十色…かえってその障害がわかりにくかったりしますが、本質的に同じ方向性の困難さを持っています。
【Q2】 自閉症は知的障害とは違うものなの?
【A2】 はい、自閉症と知的障害は別のものです。
知的障害は、全般的な「知的機能」が明らかに平均よりも低く、同時に「適応行動」における障害を伴う状態で、それが発達期( 18才未満)に表れると知的障害(精神遅滞)と言われます。
知能検査はいろいろありますが、一般的な WISC-Rなどでだいたい IQ70を境にして、それ以下を知的障害があるという風に判断されることが多いです。
Q1でも書きましたが、自閉症は三つの行動上の特徴を持った症候群ですから、知的障害と分けて考えなければなりません。
けれども、自閉症の7割は知的障害を伴っています。一方、知的遅れのない、むしろ知的には高い人もいます。
IQが70以上を高機能自閉症(ハイファンクション)、それ以下を低機能自閉症(ローファンクション)と言うことがあります。
男女の比は 3:1(または4:1)で男性優位です。全世界どの民族にも同じ比率で発症すると考えられています。
どの IQレベルであれ、Q1の三大特徴の症状がそろっていれば、すべて自閉症と考えます。「自閉傾向を伴う発達遅滞」とか、「自閉気味で、多動を伴った知的障害」という言い方は診断基準になく、不適切です。
世界的に広く用いられている診断基準には ICD-10(世界保健機関)と DSM-IV(アメリカ精神医学会)があり、日本の厚生労働省の基準は
ICD-10に準拠しています。
いずれの基準でも自閉症と知的障害を合併している場合は、自閉症の診断が優先されますので、「知的障害をともなう自閉症」が正しい言い方です。
主たる障害が別にある場合、例えばダウン症の人で自閉症も合併しているときは「自閉傾向のあるダウン症」と言ってもよいですが、診断や判定が有効な援助を引き出すためにあるとするならば、この場合も「自閉症」の併記が望ましいです。
知的な遅れが重いと、自閉症も重度と思われがちですが、実は、知的には重くても自閉はマイルド、逆に、知的には問題なくても自閉はシビアということがあるのです。
自閉症は精神発達の「かたより」、知的障害は精神発達の「おくれ」と考えるとわかりやすいです。
自閉症は、知的障害を伴っている場合、その「かたより」がどの程度なのかわかりにくく、また、知的障害を伴わない場合も「かたより」を理解してもらいにくい、たいへん難しい障害です。「見えない病」といわれる所以ですね。
【Q3】 自閉症は、情緒障害というのはホント?
【A3】 ウソです。自閉症は情緒障害ではありません。
自閉症児は「情緒障害児学級」に入ることが多いのでそう思われがちですが、 情緒に障害があるわけではありません。
「情緒障害」とは、「家庭学校近隣での人間関係の歪みによって、感情生活に支障をきたし、社会的適応が困難になった状態」のことを指します。
たとえば、登校拒否、かん黙、引きこもり…などが代表的でしょうか?
文部科学省の規定にある「情緒障害児学級」は、最初、東京都杉並区の自閉症児の親御さんたちの運動を発端に設置されましたが、そのとき文部省の検討委員会のメンバーに加わっていたある学者の意見で「情緒障害」という名称になってしまいました。
その名前が現在まで使われ、「自閉症」という障害名とあいまって、誤解を生む大きな原因となっています。
自閉症は「発達障害」です。
発症は常に乳幼児期か小児期である。
脳の中枢神経系の生物学的成熟に関係した機能の発達に障害がある。
安定した経過であること。急に悪くなったり、良くなったり、また再発するというようなことはない。
このような特徴を持つ障害を発達障害と言います。
精神遅滞、自閉症以外の広汎性発達障害、注意欠陥多動症候群 (ADHD)、学習障害(LD)なども発達障害です。
自閉症は発達障害ですから、治りません。障害に起因する困難さは、幼児期、学童期、青年期、成人期と長期にわたって続きます。
療育や周囲の環境調整によって症状が改善され、ドラマティックな変化を見せることもありますが、そのような場合でも、不適切な環境におかれることや社会生活での不適応によって、なくなっていたように見える自閉症の特徴が再びでてくるという場合もありますので、完全に治癒するとは考えられていません。だから、いつも適切なサポートが必要です。
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(余談)自閉症は情緒に障害があるわけではないので、この名称は最初から間違っています。「自閉症」というネーミングにも問題がありますが、これを変える前にこの「情緒障害」というくくりを変えるべきだではないでしょうか。わが国の教育を統括する機関が誤謬を訂正しないこと自体、問題です。 また、このくくりを継続していると、本当の情緒障害児に対しても適切な対応ができないことになります。
自閉症の発症率からいって、全国の学校に相当の割合で「自閉症学級」が設置(すでに実際にはある)されれば、その広報力は大きいと思います。自閉症についてご存じない先生方も注目しますし、社会的な認識も一気に進みます。教育面での効果も大きいでしょう。
診断名や制度上の名称が、自閉症児に対して有効な援助を引き出すためにあるとするならば、これがもっとも効果的です。
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【Q4】 自閉症の定義(Q1)以外の特徴ってあるの?
【A4】 診断の基準には含まれませんが、いくつかの共通する特徴があります。多くの自閉症児にみられ、私たちに自閉症児を不可思議な人!と感じさせる特徴です。
感覚の異常と一貫性のなさ
「視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の反応が独特である」
おかしな角度からものを見る。
特定の音に耳をふさぐ。
極端な偏食(口の中の触覚過敏という場合も…)。
何でも鼻を近づけてモノの臭いをかぐ。
特定の肌触りを好む、またはニガテ。
痛みに鈍感。
ある時は大きな音にはたえられないのに他の時は大音量で音楽を聴けるなど、
感覚に対する反応が時によって異なる(一貫性がない)。
発達パターンのアンバランス
「知的発達レベルに比べて、突出した能力がある」
時刻表やカレンダーなど機械的に憶えることに優れている。
ジグソーパズルが得意。
音楽や工芸の才能がある。
何が理解できて、何が理解できていないのかがわかりにくい。
発達レベルまた年齢相当のことで、できることとできないことの差が激しい。
感覚が普通とは違う、能力がアンバランスというようなことがあれば、その点をいつも考えながら療育をしていきましょう。
「このぐらいの音は我慢しなきゃ」「こんな事ができるんだから、他のこともできるでしょう」という大人の勝手な思いこみは、子どもに負担をあたえ、混乱させることになります。
大きくなった自閉症の人の自伝などを読むと、これらの感覚や発達のアンバランスが、社会に受け入れてもらえなかったため、大変苦しい経験をされているのがわかります。
私たちが体感できない感覚だけに、その人をよく観察し、理解した上でこちら側が歩み寄る必要があるでしょう。私たちの方から理解し歩みろうとすれば、自閉症の人たちもこちら側の感覚や行為の意味をくみ取ろうと努力してくれます。
また、私たちと感覚が違うところや発達のアンバランスは、彼らにとって得意なことも示しているのです。それを利用して、自閉症の人たちの世界を広げてあげる、余暇活動につなげる、また療育に活かすなどポジティブに考えることができます。
困った特徴だというより、大切に育ててあげたい、緩やかに共存できる環境を作ってあげたい、そんなふうに考えたいですね。
【Q5】 自閉症の人には基本的にどんな困難さがあるの?
【A5】 自閉症の人には、基本的な困難さとして次の二つのことが上げられます。
《環境の意味》を理解しにくい
・周囲の状況をくみ取って理解する能力が欠けている
《抽象的》なものは理解しにくい
・情報を意味づけて考える、物事を構成的に考えることが困難
(1) はたとえば、朝会で並べない、悲しい場面で笑ってしまうといった、その時求められていることが理解できないということです。
また、言葉と言葉に繋がりがもてないとか、言葉の裏に何があるというようなことを理解しにくいといったことも含まれます。たとえば、行為を否定するだけでは何をしたらいいのかわからないとか、原因と結果が結びつきにくいとか、私たちが自然に解釈していることが理解しにくいのです。
(2) はたとえば、きちんと、しっかり、ちゃんと、すぐに、勝手に、さっさと、といったそれだけでは意味のわからない言葉やシアワセとかや優しさといったたくさんに意味がとれる言葉は、わかりにくいということです。
前後、左右などの概念も、その時の状況によって空間の位置づけが変わるので難しいです。恥ずかしいから、不潔だから…といったような誰かの視点を基準にして考えないといけないこともわかりにくいです。
総合的に考えると、やはり映像化できないものは理解が難しいのです。
自閉症の人たちは、視覚で物事をとらえる方が、聴覚の情報を処理するより得意です。だから、視覚化がむつかしい、映像化できない、上記のような環境の読みとりや抽象的なことは理解するのが難しいのです。
そして、彼らはそうした困難な状況の中で、なんとか経験と映像を結び合わせ、それを積み重ねることによって一つ一つ物事の理解を進めていくのです。
その状態は、たとえば、私たちがが外国に行って、環境に慣れない、常識も文化も違う中で生活することと似ています。言葉もわからないので、コミニュケーションにいつもとまどいます。
そのために、私たちが心がける点は、自閉症児の「通訳」の役割を果たしてあげるということです。彼らに伝わりやすい形で「視覚的に見せて伝える」ということ。わかりやすいように示してあげる、説明する、教えてあげる、できやすいように援助をしてあげるということです。
私たちだって、聞くだけでは道順がわかりにくいけれど、地図があれば確かめながら進めます。道を説明するのに簡単な「地図」を描いてあげる、次にどこに行って何をすればよいかを説明するのに小さな「ガイドブック」を示してあげると考えれば、けして難しい援助ではありません。
こういった適切な援助がなければ、子どもは「混乱」したり「集中できなかったり」「パニック」といった行動をとりやすいのです。