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親父倶楽部 第38回例会 記録

テーマ・・・親父の為の「会計ビックバン」入門
    

     報告者 西 博康

◆日 時:2003年1月15日(木) 19:00〜21:00
◆テーマ: 親父の為の「会計ビックバン」入門
◆担当者 河部 誠
◆参加者:河部誠、前田秀美、小野山義之助、鈴木豪(初参加)、東秀一、西博康
◆会 場 ・・・・大阪市立東淀川勤労者センター

親父の為の「会計ビックバン」入門(河部 誠)

テーマの設定理由
 まいど! お世話になります。 河部です。
最近、テレビで、金融機関の不良債権処理問題で「税効果会計」って
言葉が出てきてますよね。これって、バブルがはじけてから、日本の
閉鎖的な商慣行に対してアメリカから突きつけられたいろいろな会計
制度の変更要求の一つなのです。その他、「キャッシュフロー会計」
「連結会計」「時価会計」「退職 給付会計」「減損会計」などなど、
日本に対する市場開放要求は各企業に急激な改革 を要求してきてい
ます。これに、各企業はじたばたしているのが現状です。最近では 、
商法関連も大幅に改正されてきていまして対応に追われている処です。
 
そんな企業の変革への動きのさわりの部分をちょっと覗いてみたいと思
います。実際の決算書を見ながら、どこがどう変わってきているのかをご
説 明いたします。もちろん、専門家ではありませんので、聞きかじりが多
いです。すで に皆さんの常識の分野になっているかもしれませんが、わ
かる範囲で勉強していきます。お楽しみに!


■1.決算書の基本
 決算書−財務三表の基本
   財務三表とは、
    @賃借対照表
      (企業の期末における財政状態(資産・負債・資本の状態)を示す計算書)
    A損益計算書
     
(企業の一会計期間おける経営成績を示す計算書。
       経営成績を収益と費用の形で示し、その差を額としての損益額としてする表)
    Bキャッシュフロー計算書
      (企業のキャッシュ(現金)の変動を説明する財務表。
       大・中企業には2000年3月より義務づけされた)


2.会計ビックバン
バブル崩壊後、日本の決算書の表示がおかしい・・・。
儲かっているのかどうか判り難くなって来ていると世界各国から言われて来た。
また、デフレになって、資産の価値が下がり、「含み損」を多く含むようになり、
企業の実態が判り難くなって来ている。
これまでの日本の会計処理では、企業の実力が分りにくい。
これまでの日本の取得原価主義や日本の終身雇用・年功序列といった
商慣行からの大きな変革をアメリカを始め世界から圧力を掛けられている。

■1 会計ビックバンとは!

 会計ビックバンの根幹は、国際会計基準(IAS)の動きとそれに対する日本企業会計の対応です。
  ポイント
  1.日本基準を国際会計基準に近づけるように改訂されようとしている
  2.投資家が的確な意思決定を行う為に、日本基準を国際的なレベルに引き上げる必要がある
  3.企業が資金調達を含めその活動の国際化をスムースに行う為にも国際的なレベルの会計基準が求められている
      ↓
  単なる「会計の比較」ではなく、「経営の比較」をより一層明確にする事となり、
  その影響は、財務、経理の分野に留まらず、
  企業経営そのものに重大なインパクトを与える事を意味している。

  異なる国同士の企業の
    資金調達
    合併・買収
    投資・貸付
    技術提携
             などが促進される


2 改訂日本基準の概要
  改訂の3つの柱
  1.個別決算連結決算
   
  子会社を隠れ蓑にした粉飾決算が出来ない仕組み
     ・親会社が好決算になっていても、子会社に大きな赤字を負わせて
      いる場合があるが連結決算になると、それが明確になる。
     
  2.取得原価主義時価評価主義

    ・企業の資産及び負債を取得原価で示すのではなく、
      含み損(益)等も評価した時価で評価する仕組み
    ・
退職金や年金も退職給付債務の時価評価により負債計上する
            ↓
      企業の隠れ債務が顕在化する    

  3.キャッシュ・フロー計算書の基本財務諸表への組み込み

 
    ・企業のキャッシュ(現金-3ヶ月以内に現金化できる株や債権を含む) 
     の変動を説明する財務諸表(2000年3月より義務化)により
     営業活動・投資活動・財務活動の現金の流れが見える
             ↓
     バブル期に信用貸しや掛売りなどが盛んになり、決算書上は黒字となっていても
     実際の現金が動かず倒産する「黒字倒産」の危険度などが読めるようになる

3 退職給付会計

  終身雇用を前提としている日本の企業は、全員一度に退職する事は想定されていなかったので、退職給与引当金は全従業員の退職金の約3割位を引き当てていた。しかしながら、欧米の企業は、会社ごと売買したり、全員解雇ということがよくある。これらに対応する為には、日本の企業も退職給付引当金は100%の額を要求されている。欧米の企業からの立場では、引当金の不足の7割は、その企業の隠れた損失と見ており、それを明らかにするように求められていた。退職給付会計制度の変更は、
その不足分を費用に計上し、決算上明らかにしている。
今ひとつの方法は、退職金制度を止めて、給料に含めて支払う制度で、何時止めても退職金が発生しない仕組み。
年金制度の見直しと合わせ、従業員が退職するにあたり、企業が必要とする資金を明らかにしようとするもの。

4 税効果会計

会計上、企業運営を規制している法律は「民法」「商法」「税法」「証券取引法」等がある。
しかし、会計ビックバン以降、財務会計基準は変ったが、「税法」はそのままなので、
会計上の損益と税法上の損益は大きく異なってきている。

会計上は収益と費用により損益を計算するが、税務上は益金と損金により計算する。
例えば、交際費は、会計上は費用と見なされるが、税務上は費用とは見なされず、
損金不算入として課税対象となる。あるは、株や不良債権を処分した場合、会計上は
損失となるが、税務上は損金と認められず、課税対象となる。例えば、1兆円の
不良資産を処理したら、その40%さらに税金が掛かる事となる。
このように計算されると、賃借対照表上、自己資本比率が大きく下がり、企業の評価も
下がってしまう。
そこで、税金は納めてもらうけれど、賃借対照表上からはその分
(費用処理した分の税金部分)を決算上翌期以降に繰り延べる会計処理得を
税効果会計という。

税効果会計 
 会計上の法人税等を他の費用と同様に費用と考え、支払いの有無に関係なく発生主義
で認識する方法であり、会計上の損益認識時点と税務計算上の損益認識時点との間に
相違がある場合に、その期間帰属のずれを調整するものです。平成10年12月21日付で
適用されている。

納税額方式(従来の方式)
 会計上の法人税等は、納付税金費用のみからなり、繰延税金資産・負債は認識されて
いない。これは、納税額方式では、税引き前利益が株主の利益であり、税金は費用と言う
よりむしろ利益の分配であると考えている事を示しています。

下記の例では、納める税金を仮に50%としています。税効果会計を適用すると、
下記の例では、当期利益が10増え、自己資本が増加します。

納税額方式 課税所得X税率=納付税額
120x50%=60
会社の利益 =100
税務の加減算=20 法人税等 =60
. 会計上の利益と法人税等
の利益の対応が出来ない
税効果会計
会社の利益 =100 法人税等 =50
税務の加減算=20 繰延税資産=10

3.商法の改正
@金庫株の解禁
  自己株を持つ事を認めた
   →自己株を持つ事によって自分で自社の株を処理することが出来るようになった。

A額面株制度の廃止
  株価は、市場が決める。株の額面(例えば500円/株)が無くなった。

B監査役が重たくなってきている
  エンロン、ワールド・コムの倒産、アンダーセンの不正加担等々、アメリカの事故が
きっかけともなり、監査役の役割や責任が法的に厳しくなって、監査役は取締役会
に対して今以上に責任を果たさなければならなくなってきた。
    

■4.ある企業の決算書にみる会計ビックバンの具体的な状況
  決算書を見ながら、上記の内容を具体的に検証(省略)

■5.まとめ
 ○日本の企業が、企業ごと売買されてしまう時代となった。
  従業員を一切首にすることなく会社が売り買いされる事もあるが、
  何時会社がなくなるか分らない時代となった。
 ○決算の状況は、これまでプロしか分らなかったけれど、
  会計ビックバンにより素人でもある程度企業の状況が判るようになった。

参考資料 私でも面白いほどわかる決算書 宝島社 他
以上


■第38回親父倶楽部を終えて   
                          運営委員長 西 博康

 2003年新春第一回目の親父倶楽部は、河部さんのご担当で、会計ビックバンのお話を頂きました。日本の企業が企業ごと売り買いされる現実を実感させられる内容で、改めて決算書に示される日本の企業の状況を認識させて頂きました。参加の皆さんの感想も、なかなか普段勉強できない事を改めて勉強する事が出来て有りがたかったと感じられたようでした。
これまで、親父倶楽部は「親父達のプロジェクトX」、「親父達の健康管理講座」、「親子を取巻く諸活動・諸問題」というカテゴリーで取り組んでおりましたが、今回のテーマを取り上げてみて、親父倶楽部のテーマの広がりを感じました。親父達を取り巻く様々な問題は、無限に有り、今後とも親父倶楽部で明日を語り合いたいと思います。河部さん、ご参加の皆さん、本当に有り難うございました。 

                                           






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親父倶楽部 「第38回例会記録」
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