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親父倶楽部 第44回例会 記録

テーマ・・・「大平光代さんに学ぶ親子の有り様
          

     報告者 西 博康

◆日 時:2003年7月10日(木)19:00- 
◆場 所:大阪市立東淀川勤労者センター 
◆テーマ:「大平光代さんに学ぶ親子の有り様」  
◆担当者 西 博康
◆参加者  河部誠 前田秀美 山根満唯郎 射場一之 中家祥裕 以上6名

■ 「大平光代さんに学ぶ親子の有り様

テーマの設定理由
  先日、豊中中央ライオンズクラブの方のお誘いで大平光代さんの
講演会に行ってまいりました。
親父倶楽部でも勉強させて頂きました「だからあなたも生きぬいて」
の大平さんのお話を生で一度聞いてみたいと思っておりましたが、
この度実現する事が出来ました。
大平さんは、60分の講演の中で、
自分が子供の頃辛い思いをした経験から、弁護士になって子供達を
救えるなどと思っていた事が、大変な思い上がりでしたと数々の事例
をご紹介くださいました。どの話も、ご参加された方々、皆さん涕を流
しながら聞き入っておられました。今回は、大平さんのお話の中から、
親子の有り様について考えてみたいと思います。

■1 大平光代さんの紹介

「だからあなたも生きぬいて」大平光代さんのベストセラーから



■2 大平光代さんが弁護士となろうとなろうとした理由
私自身が、嘗て非行に走りそこから立ち直った経験があるから、私ならば苦しんでいる子供達の
気持ちが判り、子供達を助けてあげる事ができるかもしれないと思った
。実際に弁護士になって
目の当たりにしたのは、私なんかよりもずっとずっと苦しんでいる子供達がいるという現実でした。
私ならば、子供達を助けてあげる事が出来るかも知れないという思い上がったことを心の底から
恥ずかしく思いました・・・。

■3 事件の事例に学ぶ
子供達は、生まれた時から非行少年ではない
小さい時から、親や周りの大人たちに傷付けられ、
一つ一つが小さな事でも、それが積み重なって、非行へと追い込まれていく

子供は、周りの環境次第で、どのようにも変わっていく。

 ■3−1 A君の場合

    父親のリストラそして自殺から人生が変っていったA君の話   

 ■3−2 B子ちゃんの場合

    夫婦仲の破局から母親の誹謗の対象であったB子ちゃん話

 ■3−3 C子ちゃんの場合

    たまたま、クラスで試験が1番だったことから始まるC子ちゃんの苛め話

■4 大平光代さんの想い

非行から立ち直り、弁護士になることが出来、そのことで親孝行が漸く出来たと思った。
時間を作っては、両親に会いに行き、欲しいものは何でも与えた。しかし、それは親孝行の
真似事でしかないと気付いた。父親が死ぬ間際に「お父ちゃんは、ええお母ちゃんと、
ええ娘を持ってほんまに幸せだった。ありがとう・・・」と言った。この言葉に私は本当に後悔した。
私は、お父ちゃんにええ娘と言われる資格は何処にも無い。私が荒れ狂っていた時に本当に
苦しかったのは両親であり、死んでしまいたかったのは両親の方であろう・・・
もし、願いが一つ敵うのなら、私を中学校の頃へ戻して欲しい。そうすれば、苛めなんかどんなに
辛くても、自殺未遂なんかしてあんなに親を悲しませる事なんかしなかった。その後、どんな辛い
事があっても道を踏み外して親をあんなに苦しめる事はしなかった・・・と思うからです

親孝行とは試験に合格するのでもなく、親に物を持っていくのでもなく、親に不必要な心配や
苦労を掛けないというのが本当の親孝行と漸く解りました。父が死んで4年になりますが、
日増しに想いが強くなります。この手が無抵抗の母を殴り、この足が血だらけの父を蹴った
んやと思うと自分自身が嫌になる。弁護士になっても、自分が起こした事を消す事は出来ず、
全て自分に返って来る。親を傷つけ自分自身を傷つけた事を何一つ消す事は出来ない。
1時間の講演も辛く、自分自身の体の傷の痛み止めを服用しなければ生活できない状態です。
後悔しています。周りの大人たちの言う事を聞いていれば良かったと思います。自業自得です。
でも、私のような苦しみを今の子供達に絶対して欲しくありません。して良い事と、絶対しては
いけない事を子供達には学んで欲しい。命を落としたり、道を踏み外す事はことで解決しようとは
絶対してはしないで欲しい。その苦しみをバネに前向きに生きて欲しい・・・。

 苦しみの渦中にいる子供達は、自分達では物事を解決できません。その時、子供にを励まし
居場所を与えてやれる大人が一人でもいればその子の人生が違ってきます。皆さんは、そんな
大人の一人になって欲しい。




■5 親父討論

西 :講演を聞いていてキーワードを整理すると
   ・子供は、親に対して良い子でいたいと思っている
   ・非行走る前に不登校になる(日本には13万9千人の不登校の学童がいる)
   ・一番信頼する人(親)から裏切られた時に本当に切れてしまう
   ・子供も単に食料があるだけでは生きていけない。
    愛情と言う優しさや温かさに包まれていなければ生きてはいけない。
   ・安住出来る居場所が必要
   ・胸の内の思いを話が出来る親子の関係が必要
   ・子供には耐え切れないこと ― 親が子供に顔色を伺う、子供の事で夫婦喧嘩が起こる
   ・裁判では解決できない問題が沢山ある
   ・転校−学校を変えたところで、学校には同じ学校の臭いがある。
    頭では解っても、心と体が言う事を聞かず、なかなか新しい環境に溶け込めるものではない。
   ・親の世間体や面子を捨てて本人の心の回復を図らなければならない

Aさん:3年ほど前、NHKのTVで見ましたが、変わったのですね。以前は子供に事件は解決出来る
    との自信を示していましたが、現実は大変なのでしょう。知人の弁護士も少年事件だけは、
    関わりたくない・・
・、期待掛けるほうが間違っている・・・と。NHKの家裁のドラマ「少年たち」でも、
    家裁の調査官がノイローゼになる時代。本当に中学生の非行に陥る人が増えますよね。
    大平さんの精神力は凄いですよね。
    他の知人の方は、未だに少年事件と取り組んでいます。しかし、解決出来るのは1割で、残りの
    9割は、解決できず、自分の力不足・裁判制度の不合理・社会に対する口惜しさ等を感じている
    そうです。でも止められずに、いるようです。セラピストにならなければ無理ですね。
    一種の病気になっている子供達を取り扱うのですから、裁判官や弁護士だけでは無理なのでしょうね。
    事件の現場では、刑事さんや検察官も同様で、先日の長崎の事件でも捜査官は警察だけでは
    無理なのでお医者さんや精神科医やセラピストを呼ばないと、調査にならないようですね。
    その様な社会を認識させなければいけませんね。
    不登校が非行の前兆かもしれませんが、不登校をしていない子も、非行に陥ります。中学校の
    半分の先生は自分の仕事に自信を持てなくなっています。出来れば、高校または小学校へ移りたい
    と考えている方が多い様で、思春期は怖くて扱えないようですね。
Bさん:弁護士さんが感じる社会に対する口惜しさとは?
Aさん:神戸連続児童殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗がもうすぐ仮釈放されます。色々な意見があります。
    厚生労働省は、成功例にしたいとの想いだそうです。社会に戻れるという一例を作る事も重要です。
    「罪を憎んで人を憎まず」と言いますが、被害者は殺された子供は返ってこないのですから、
    本人に一生償えと思うのでしょうが、社会全体として助けてあげるのも社会保障のひとつとして
    必要なのでしょうね。少年の犯罪の度合いがひどすぎますから、現役の警官が感じているようですが
    親が放棄しているので、どうしようもないと・・・
Bさん:親が放棄すると行き場がなくなりますね。
Aさん:近所のダイエーが夜11まで営業を行うようになった。中学生らしき子が多数たむろしている。
    でも、親がどうにかしようとする気配を感じられない。
Cさん:事例1でもありましたが、親が子供の心に入っていっていない。TVのCMではないが、
    「物より思い出・・・」だと感じる。
    先日、学校で授業参観に行った。授業参観中に携帯電話で話をしている。教室の中で・・・
    母親が多い。PTA会費や給食費を払わない人が増えてきている。払えないのではなく、
    払わない。義務教育だから喰わすのが当たり前だろうと。で、担任の先生が自腹で立替えている。
    そこ子だけ、みんなの前で、食べさせない訳には、いかないし。親のメンタルケアをどうしていくのかが
    問題と感じる
。悩んで校長先生まで自殺する時代だ。
Bさん:割り切れない話や理不尽な話が多いと感じる。
Cさん:PTCAと最近は言います。Cは地域住民です。子供は地域みんなの財産だという考え方です。
    子供を地域みんなで育てていくのです。しかし、地域の役をしたくないので、子供会には入らない
    などという親が増えています。親の世代が問題が多いと感じます。
Aさん:長崎の事件の地域も子供会が無くなっていると聞いています。
    ボランティアの活動で、地蔵盆の際に、焼そばを焼いたりしたのですが、その時の話ですが、
    酒鬼薔薇事件の地域は子供会が無いそうです。しかし、地震で大変だった長田区や須磨区は
    地蔵盆だらけ。地蔵盆は子供会がやっている。こららの地域はまだ救われていると感じる。
    「商店街の子供たち」との感覚があり、店主達が金を出してくれる。地域に根ざしていけば
    非行がなくなると感じる。それ故、ダイエーの行為は、色々な意味で、商店街から反発を買っている。
Dさん:地蔵盆や地域活動にはやはり世話役や核になる大人の活動が必要なのでしょうね。
Eさん:以前、仕事で、岡山県 御津郡(みつぐん)建部町(たけべちょう)という所へ行ってきました。
    近くに地元の中学校があって、丁度下校時で、皆が揃って道端を歩いて下校しています。
    私が、おじゃました営業所の前に立っていると、生徒が皆、「ただいま 帰りました」と言って通り
    過ぎて行
のです。営業所長が「お疲れ様」と返事をしているので、「知っている子ですか?」と
    聞くと「いや、皆声をかけますよ」と言うのです。これには驚きました。
    子供が大人に、誰にでも挨拶する風習は永らく忘れていた光景です。私の田舎でも昔は当然の
    ように声を掛け合っていました。久しぶりにいい風景を見て、さわやかな気持ちになり、とても
    感動しました。地域の皆が家族のように連帯感があるなと感じました。
    「きちんと挨拶が出来る子に悪い子はいない」と言いますが、その通りだと思います。
    都会では、「知らない人に声を掛けてはいけません」と育てられます。寂しい限りです。
    地域社会が、そして大人たち皆がきちんと子供の成長を見守って上げる、大人の責
    任は重いのではと思いました。考えさせられる光景でした。
    やはり、非行は、大人の問題だと感じます。子育てが終わった今、評論家にならない為にも、
    自分の息子達が親になる時に、子育ての有り様をよく教えてあげたいと感じる。
    解決策は何かと考えるに、一つには、教育改革の問題。また一つには、最近の家庭を軽視する
    傾向を見直すことであると感じる。専業主婦を軽視する傾向を正し、家庭の大切にする事を復活
    させなければならないと感じる。そして父性の復活。子供が育つベースを築かなければならない。
    そのような、環境から捨てられた子供たちが非行に走っている。
Bさん:ベースになる一番大切な集団が家庭だと思う。父性・母性の有り様もさることながら、まずは
    夫婦が円満である事が一番重要であると感じる。
Fさん:いやー昨日も喧嘩しちゃいましたよ・・・
Bさん:夫婦が円満でさえあれば、子供が居れる居場所となりえているのであろう。夫婦の仲が悪く
    お互いに信頼し合えていない関係であれば、子供にとっては、そこは居辛い場所となる。
    家庭が、子供にとって居辛い場所になっていれば、子供たちは、ストレスを吐き出しに別な場所を
    求め、居場所探しを始めるのではと感じる。
    私は、社会や地域の前にまず、自分の嫁さんを大事にしようと思う。そこが、子供を育てる第一歩
    ではないかと感じる。
Eさん:いやー、言いますね。続きは、一杯飲みながらやりましょうか・・・



 ここから先は、オフレコでやりましょうか!


■第43回親父倶楽部を終えて   
                                 西 博康


今回の親父倶楽部は、大平光代さんの講演をご紹介させていただきながら、そこから、親子の有り様を
皆さんと一緒に考えてみました。大平さんについては、メンバーの皆さんもよく理解され、講演を聞かれた方も
何人かおられ、皆さんの認識やご理解が高い状態で進めることが出来ました。お集まりの皆様には
貴重な意見交換をして頂き、深く感謝致します。
大平さんの講演会を省みて、話の終盤で、大平さん自身が、自分や大平さんのご両親に対する自戒の念を
語られておりましたが、講演会の会場にお集まりの皆さんは、本当に胸を詰まらせておられました。
奇麗事ではない現実の生の話、後戻りが出来ない人生を間違えないようにしっかりと生き抜いていく教訓を
沢山頂きました。大平さんに感謝すると共に、今後のご多幸とご活躍をお祈りしたいと存じます。

以上






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